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英国地域劇場スタディーツアー その1-2

 
2014-9-18
(下斗米つづき)

リバプールで、2発目のショック!

 3日(火)はリバプールのエブリマン&プレイハウスを視察しました(写真4)。


(写真4)

この劇場は今年50周年を迎え大改修をしたとのことで、とても近代的な建物。なかでも特にファサードがお洒落で、リバプール市民から募集して選んだという写真が100枚近くパネルにしてずらりとかけられており、文字通り「エブリマン・シアター」という感じ。そして、ここでも素晴らしいのはソーシャル・プログラム。犯罪の多い地区での活動や、引きこもり老人を社会復帰させようというプログラムなど、ちょっと日本では考えられないような活動を幾つも行っています。このような活動の場合は、もちろん劇場が単独で行っているわけではなく、警察や福祉、住宅、保健所など行政の様々な関連組織と手を組んでいるとのこと。まさに社会全体での取組になっているところがすごいと思いました。説明を聞いている我々がビックリしているのに、説明しているエブリマン側の人たちは、実に淡々としたもの、劇場でこういう活動を行うのは当然だということなのでしょうが、日本の劇場と何という違いでしょう。劇場が社会の中にしっかりと根を下ろしているという感じです。

圧巻!ウエストヨークシャー・プレイハウスの「ヘイ・ディーズ!」。

 6月4日(水)。この旅行のハイライト、ウエストヨークシャー・プレイハウスの視察です(写真5)。


(写真5)

この劇場私は2度目なのですが、前回は残念ながら「ヘイ・ディーズ!」は見られず、それだけにとても期待をしていました。で、当日劇場に一歩足を入れてびっくり(写真6)。


(写真6)

たくさんのおじいさん、おばあさんがいっぱいで劇場全体が大賑わいになっていました。そう、この「ヘイ・ディーズ!」というのは、リーズ市に住む老人たちに元気を取り戻して貰おうとはじめられた、この劇場最大のイベントで、英国の各地にも同じような趣旨の活動がどんどん広がっているそうです。
この劇場は入り口を入ってすぐ右に4〜5段の階段があり、それを登ると大きな空間が広がっています。ここは時にロービーになり、食堂になり、バーになり、イベント会場や会議室など多様に使われる空間なのですが、今日はそこで何十人ものお年寄りが集まってワイワイ、ガヤガヤ大騒ぎで作業をしていました。絵を描いている人や切り絵を作っている人がいるその奥ではお茶を楽しんでいる人たち、他の所ではカメラを使ったアニメーションづくりに、ダンスやコーラス・・・と、この日は全館がすべて解放されて18種類のいろいろなコースが開かれているとのこと。で、この「ヘイ・ディーズ!」ですが、もう30年近く続いているそうで、毎週水曜日に数百人のお年寄りが集まって、いろいろなコースに参加をし、お喋りをし、飲んだり食べたり和気藹々の一日を過ごします。どのコースもプロの先生方が指導をして、作った作品を一年に数回持ち寄って発表し、バザーを開くそうです。日本でもお年寄りを対象にしたいろいろな教室はありますが、こんなにオープンな雰囲気の、こんなに規模の大きなものは見たことがありません。地域の中でお年寄りが元気に、いきいきと暮らしていく・・・そんな活動を劇場がやっているのです。すごいですね!
(つづく)
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