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武豊町民会館オープンから10年

 
2013-7-15
NPO法人世界劇場会議名古屋理事
NPO法人武豊文化創造協会理事長 櫻場敬信

過日、町役場の将来を嘱望された優秀な職員が交通事故で亡くなった。
彼とは15年位前からの付き合いがあった。そもそもの始まりは町民会館の建設に関して、アンケートに応じた時から始まる。彼は建設準備室に所属していて、私は文化協会の役員をしていて知り合うこととなった。建設ワークショップを数回重ねるうちに、よく話をするようになって行った。彼は文化協会の事務局も兼ねていた。その頃文化協会の会長をしていた人が、体調の不良を理由に会長を辞任された。頼む時は誰でも使う殺し文句の、「あなたしか会長にふさわしい人はいない」と言われてまんまと会長にさせられてしまった。会館の建設と、文化協会の仕事とでより一層話す機会はふえていった。私の長男と同年ということもあり、親しみがあった。
一言でいえば熱血漢、何事にも真剣に真面目に取り組む姿勢は、周囲を巻き込んで、つい手を出してしまわせる仁徳を持っていた。会館が完成した暁には、運営に関しては、協働で行うと言う方針の基、NPO法人が立ちあがった。そして私はそこの理事長を押しつけられた。会館運営の参考になるだろうと彼と一緒に世界劇場会議に参加した。劇場関係者と多数知り合うことが出来て様々な情報を得ることが出来た。
会館オープンから10年、やっているときは夢中で走り回っていたが、過ぎてしまうとそんなことは忘れて何か楽しかった様な思いだけが残っている。何がそんなに楽しかったのか思いだそうとしてもそれは思い出せない。
彼は役場の職員であるので、当然のように会館から他の職場に変わり、体育館でもスポーツクラブのNPO立ち上げを応援したり、直近では協働の提案型事業の推進に取り組もうとしていた矢先の事故だった。
私が現在世界劇場会議の理事をやっているのは、そんな事がきっかけで始めた訳だが、続けているのは、止めるタイミングを計れずにいるためだ。情報だけは得たいと参加しているが、私が皆の役に立てるような知識はほとんど無く、トンチンカンな事を云っては皆に迷惑を掛けている。もともとは、製鉄会社の作業員だから、文化とか、芸術からは最も遠いところにいた様な気がする。誰かが言っていたのだが、芸術は自殺を一瞬で止める事が出来る。感動で心がふるえて涙が出た時、ほっと心の緊張がゆるむ瞬間があると。これしかないと思いつめた気持ちにいくつかの選択肢があることを気付かせてくれるのだと。私は自殺をしようと思ったことは無いのでほんとにそうだと確信はもてないが、そんな気もする。昔の私の職場や仲間達に、会館に足を運んでもらい、感動を届けたいと思っている。
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