英国地域劇場スタディツアー
- 2015-2-6
私にとって今回のツアーは初海外。
初の海外旅行がイギイス、ましてや9日間も。何て贅沢な・・・と思いつつも、色々な劇場が見学できるなんて、それも通訳付き。語学力の乏しい私にとってはこんなにありがたいツアーはどこを探しても無い!と「行きたい。観てみたい。」その気持ちだけで旅立った。
もう既に何名かの方がエッセイを書いていらっしゃるので、私は掻い摘んで。
WYP(ウエスト ヨークシャー プレイハウス)はイギリス国内でも積極的に事業を展開している劇場のひとつ。この劇場で2日間過ごせたことはとても貴重であった。
文化プログラムを通して地域の住民を孤立させないという考え方のもとに、高齢者向けに1日にたくさんものプログラムを開催しているのだと思う。数種類のプログラムを用意すれば来館する高齢者も多くなり、オープンスペースで実施することにより広報もできている。
また劇場内のあらゆるディスプレイが事業と連携していて、トイレ(個室)の中のドア全てにフレームに入ったチラシが飾られていたり、講座の時間内だけではあるが、参加者が作った作品をバーカウンターにおしゃれに展示することで、“自分の作品を飾ってもらいたい”というモチベーションを上げるような手法も垣間見えた。
劇場の中にあるレストランにもたくさんのお客さんがいて、プログラムの参加者だけではなく、ただ単に食事やお茶をしに来ているだけの人達も多くみられ、市民の憩いの場所になっていることは間違いないようだった。
WYPは二つの建物を所有しており、ひとつはホールや会議室を常備した劇場で、もう一つは青少年の更生を対象にしたプログラム(PG)を実施するための建物。事業内容の住み分けがきちんとされていて、青少年に対してのPGには必ずステップアップのPGも用意されている。
ここのPGを受ければ、進学や就職が可能になるという道筋があるので、参加者も目的意識を持って参加している。
ただ短期のPGを実施するのではなく、後々のことも考慮した、繋がるような長期計画を持った事業展開は学ぶべきことが大きかった。
そして企画を考える時には必ず専門家(専門的な知識や経験を有する人)のアドバイスを
受けたり、資料収集等を行うことにより、企画担当者個人の事業にならないよう情報の共有をして時間をかけて実施に繋げている面では、本当にやりたい事業=やらなければならない事業とし、自信を持って実施している部分は、単年計画で事業を考えることが多い現状を考えなおさなければと感じた。
今回視察に行ったどの劇場も芸術監督がいて、常にどのようなPGを実施すれば行政や国が認めてくれるか?助成金を出してくれるかを考えている。
またそこに勤務する職員が、同じ目標(方向)を目指して企画制作をしているので、事業に統一性があり成果も上がるように思えた。
また市民参加型の事業がほとんどで、創造事業をしない(出来ない)劇場は、本来の劇場としての役割を果たしていないとみなされる。これは「劇場法」にうたわれている文言と共通するところがあり、我が国の“文化芸術”に関しての認識や必要性(重要性)の低さや遅れを痛切に感じた。
自分の劇場だからこそ創れる醍醐味をもっと経験し、地域との連携・協力を得ながら劇場を盛り上げる事業展開を考えなければならないとも思った。
市民に愛される定着した劇場になるためには、そこに在職している職員自らが、劇場を愛し、
情熱・価値観を持って事業を展開することにつきると思う。
色々な成果(結果)を出している劇場も、はじめから地域に定着していたわけではなく、たくさんの時間を費やして今(現在)があるようで、「最低3年は覚悟して取り組みなさい」と助言を受けた。またそのためには、段階ごとの中長期計画が大切だと思う。
色々な事業や劇場のレイアウトを見て、現在私たちが実施している事業や館内装飾に少し工夫をすればもっと良い劇場になるであろうヒントが見つけられたこと、そして何よりも地域との係わり(市役所、商工会、施設など)をもっと密にし、ギブアンドテイクの精神で臨まなければならないと教えられた。
職員自らが勤務する劇場を愛し、そこに勤務していることを誇りに思っていることが素晴らしいと感じるとともに、私もそうありたいと思う。
公益財団法人大野城まどかぴあ 文化芸術振興課 小磯
初の海外旅行がイギイス、ましてや9日間も。何て贅沢な・・・と思いつつも、色々な劇場が見学できるなんて、それも通訳付き。語学力の乏しい私にとってはこんなにありがたいツアーはどこを探しても無い!と「行きたい。観てみたい。」その気持ちだけで旅立った。
もう既に何名かの方がエッセイを書いていらっしゃるので、私は掻い摘んで。
WYP(ウエスト ヨークシャー プレイハウス)はイギリス国内でも積極的に事業を展開している劇場のひとつ。この劇場で2日間過ごせたことはとても貴重であった。
文化プログラムを通して地域の住民を孤立させないという考え方のもとに、高齢者向けに1日にたくさんものプログラムを開催しているのだと思う。数種類のプログラムを用意すれば来館する高齢者も多くなり、オープンスペースで実施することにより広報もできている。
また劇場内のあらゆるディスプレイが事業と連携していて、トイレ(個室)の中のドア全てにフレームに入ったチラシが飾られていたり、講座の時間内だけではあるが、参加者が作った作品をバーカウンターにおしゃれに展示することで、“自分の作品を飾ってもらいたい”というモチベーションを上げるような手法も垣間見えた。
劇場の中にあるレストランにもたくさんのお客さんがいて、プログラムの参加者だけではなく、ただ単に食事やお茶をしに来ているだけの人達も多くみられ、市民の憩いの場所になっていることは間違いないようだった。
WYPは二つの建物を所有しており、ひとつはホールや会議室を常備した劇場で、もう一つは青少年の更生を対象にしたプログラム(PG)を実施するための建物。事業内容の住み分けがきちんとされていて、青少年に対してのPGには必ずステップアップのPGも用意されている。
ここのPGを受ければ、進学や就職が可能になるという道筋があるので、参加者も目的意識を持って参加している。
ただ短期のPGを実施するのではなく、後々のことも考慮した、繋がるような長期計画を持った事業展開は学ぶべきことが大きかった。
そして企画を考える時には必ず専門家(専門的な知識や経験を有する人)のアドバイスを
受けたり、資料収集等を行うことにより、企画担当者個人の事業にならないよう情報の共有をして時間をかけて実施に繋げている面では、本当にやりたい事業=やらなければならない事業とし、自信を持って実施している部分は、単年計画で事業を考えることが多い現状を考えなおさなければと感じた。
今回視察に行ったどの劇場も芸術監督がいて、常にどのようなPGを実施すれば行政や国が認めてくれるか?助成金を出してくれるかを考えている。
またそこに勤務する職員が、同じ目標(方向)を目指して企画制作をしているので、事業に統一性があり成果も上がるように思えた。
また市民参加型の事業がほとんどで、創造事業をしない(出来ない)劇場は、本来の劇場としての役割を果たしていないとみなされる。これは「劇場法」にうたわれている文言と共通するところがあり、我が国の“文化芸術”に関しての認識や必要性(重要性)の低さや遅れを痛切に感じた。
自分の劇場だからこそ創れる醍醐味をもっと経験し、地域との連携・協力を得ながら劇場を盛り上げる事業展開を考えなければならないとも思った。
市民に愛される定着した劇場になるためには、そこに在職している職員自らが、劇場を愛し、
情熱・価値観を持って事業を展開することにつきると思う。
色々な成果(結果)を出している劇場も、はじめから地域に定着していたわけではなく、たくさんの時間を費やして今(現在)があるようで、「最低3年は覚悟して取り組みなさい」と助言を受けた。またそのためには、段階ごとの中長期計画が大切だと思う。
色々な事業や劇場のレイアウトを見て、現在私たちが実施している事業や館内装飾に少し工夫をすればもっと良い劇場になるであろうヒントが見つけられたこと、そして何よりも地域との係わり(市役所、商工会、施設など)をもっと密にし、ギブアンドテイクの精神で臨まなければならないと教えられた。
職員自らが勤務する劇場を愛し、そこに勤務していることを誇りに思っていることが素晴らしいと感じるとともに、私もそうありたいと思う。
公益財団法人大野城まどかぴあ 文化芸術振興課 小磯