世界劇場会議 国際フォーラム’95実施概要
「世界劇場会議 国際フォーラム'95」は「世界劇場会議'93」の成果を踏まえ、
舞台芸術の振興とその社会基盤の確立のため、平成7年2月10日夜のゲネプロ鑑賞会を含め、
12日(日)までの3日間、名古屋市芸術創造センター、
名古屋市中区役所ホール並びに愛知芸術文化センターで開催された。
「世界劇場会議 国際フォーラム」は今後年1回のペースで継続的に開催される。
今回はその第1回目であったが、文化行政担当者、民間鑑賞団体関係者、民間芸術団体関係者、
劇場管理技術者、劇場制作者、実演家、そして建築家等、劇場に携わる多くの人々の参加があった。
観客開発、人材育成、複合文化施設の各テーマごとに貴重な事例報告が重ねられ、
深く具体的に討議する再会の場となった。
海外講師3名、国内講師21名による報告と討議には参加登録者約400名、
二日間の延べ参加人数は1200名という予想以上の盛況であった。
「世界劇場会議'93」に比してかなりコンパクトな会議構成であったが、
参加は北は北海道、南は九州まで全国的なものとなった。
参加者の地域分布は地元2分の1、関東地方より4分の1、その他の地域より4分の1であった。
また参加者の所属は、劇場技術関係、行政関係、企業関係、
アートマネージメント関係がほぼ均等の参加となり、バランスのとれた構成といえる。
会議第1日目はスーザン・メダック氏(米国)による基調報告に始まり、
第1セッションでは観客開発をテーマに公立、民間の音楽ホール担当者の事例報告があった。
また俳優、演出家など舞台の創造者たちが見た観客像についても報告がなされた。
なお、夜のレセプションには約200名の参加があり、講演者と会議参加者の良い交流の場となった。
第2日目は、中国から石維堅氏、豪州からジョン・クラーク氏を招き海外特別セッションをおこなった。
続く第2セッションでは劇場における人材育成と創造問題をテーマに行政、
民間の劇場管理技術者、制作者、創造者ら7名が事例報告と自由討論を行なった。
最後の第3セッションは、舞台芸術の総合センター構想をめぐるパネルディスカッションであったが、
21世紀の夢の施設実現に向けて6名の講師による熱心な討議があった。
会議期間中、講師の議論のみならず、参加者からも様々な意見がよせられた。
今回の会議では、前回の反省を踏まえて問題を縦に深く議論することに心がけたが、
題材が特定地域に片寄るという指摘もあった。個別事例を普遍化する方法の構築が痛感された。
また、会議の進行、演出、制作についての指摘もいただいた。
海外招聘講師による講演は特に好評であったが、会議参加者は、各国の様々な舞台芸術、
劇場管理運営の報告を望んでおり、
今後も国際的な劇場会議を開催していく必要性と意義を再認識した次第である。
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