セッション1
「市民・行政・文化政策 ―海外と日本の実状」
 日本の公共施設の運営形態は、行政直轄から財団運営、プロデューサーの民間登用、 そしてNPO法人による運用など様々に推移している。 また近年ではPFIの導入など、民間資金活用の検討も始まっている。
 他方、市民社会が行政とどのように関わり合いながら、 市民の意向を反映させることができるかは未だ模索段階にある。
 市民と行政の協同にはどのような選択肢があるのか。 公共施設の可能性は。そして世界の潮流はどこへ向かおうとしているのか。
 本セッションでは、揺れ動く変革の時代に日本の文化政策はどうあるべきかを、 海外事情に詳しいパネリストを迎えて、市民参加、NPOなどのキーワードから検証する。
コーディネーター 伊藤裕夫 (静岡文化芸術大学教授)
報告者・パネリスト アメリカの事例=
 塩谷陽子
(芸術文化事業研究者・在ニューヨーク/Archipelago 社主宰)
イギリスの事例=
 河島伸子(同志社大学経済学部助教授)
イタリアの事例=
 佐々木雅幸(立命館大学政策科学部教授)
ドイツ の事例=
 小林真理(静岡文化芸術大学文化政策学部講師)
日 本 の事例=
 市村作知雄(東京国際芸術祭ディレクター)


 セッション2
「公共ホールにおける市民参加の実践」
 公共ホールにおいて、さまざまな形で市民参加が行われるようになり、 中にはNPO法人が関与する事例もみられるようになった。 施設管理から事業実施といったハード、ソフト全般を担うふらの演劇工房、 福井市文化会館を中心に市の文化施設のソフト部門を担う福井文化フォーラムは そうした事例の先進的なものである。
 そのような公共ホールにおける市民の役割の増大の動きとも並行するように、 新規に建設される公共ホールの施設そのもののあり方にも変化がみられる。 単にホールのみというのではなく、 市民の様々な活動に対応できるような諸空間を併設する形で施設が構成されるのである。 最新の事例としては、 やはり市民参加を取り入れながらの計画・建設が進行中である茅野市新市民会館が挙げられる。
 本セッションでは、市民が何らかの形で関与しながらも、その関わり方、 施設のあり方について対照的な以上の3事例を中心に、他の事例も交えながら、 わが国の公共ホールにおける市民参加の実践の現状と課題を探る。
コーディネーター 伊東正示(早稲田大学客員教授/(株)シアターワークショップ代表)
報告者・パネリスト 『新茅野市民会館』
 古谷誠章(早稲田大学教授/ナスカ一級建築士 事務所主宰)
『福井芸術・文化フォーラム』
 岸田美枝子(福井芸術・文化フォーラム 事業部長)
『ふらの演劇工房』
 篠田信子(NPO法人ふらの演劇工房 理事長)
『京都芸術センター』
 南正博(京都芸術センター事務局長)
『扇町ミュージアムスクエア』 
 山納洋(扇町ミュージアムスクエアマネージャー)

◆キーワード
市民、行政、文化政策、NPO、プロジェクトマネジメント、施設規模、複合化、 異ジャンル間の交流、建築家、企画、運営、事業、市民合意、公共ホール、アイデンティティ、 プロポーザル

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