セッション1 |
「地域文化創造の拠点としての劇場…その可能性を探る」 |
地域文化の象徴として建てられた「地域の劇場」の、 今後のあり方とそのオリジナリティを模索するものである。
固有のアイデンティティを持ち、文化創造、文化発信の場となるための具体的な方策を、 すでに様々な形で取り組んでいるオーストラリア、香港の事例報告を受けながら議論、 検討する。
パネリスト | ● |
オーストラリア・ヴィクトリアンアーツセンター代表 台湾・国立蒋介石文化センター代表 高木繁伎(愛知県芸術劇場館長) |
コーディネーター | ● | 藤井知昭 (中部高等学術研究所教授) |
セッション2 |
「産業としての劇場文化…その現状と将来」 |
景気動向の低迷を受けてメセナもフィランソロピーも力を失いつつある中、劇場建築だけがピークを迎えている。 本来なら出し物やスタッフの雇用も含めて劇場周辺は好景気でなければならないはず。
一方で「文化施設は金食い虫」の議論は後を絶たない。 劇場単館決裁が赤字でも地域文化振興と地域経済への貢献はどうか? 劇場による経済波及効果、地域経済振興に劇場の果たす役割は?
ここでは文化と産業の関係について、 文化経済学の研究成果を踏まえて、 改めて社会構造の中から考えてみたい。
パネリスト | ● |
佐々木雅幸(金沢大学経済学部教授) 柳 義男(紀伊國屋サザンシアター支配人/東京中劇場協議会事務局長) 出口正之(国立総合研究大学院大学教授) 小田哲也(博多座取締役/福岡市役所市民局劇場計画担当) |
コーディネーター | ● | 清水裕之(名古屋大学大学院工学研究科教授) |
第2部<劇場の再生> その目的と意味を考える
社会・経済状況が難しくなっている現在においても、 我が国では、劇場をリニューアルして使い続ける、ということがあまり行われないし、 そのような建物の活用の仕方が新築の場合とは異なった様々な意味や効果を持つことは、 あまり人々の意識にないのではないか。
ここでは数少ない我が国における劇場リニューアルの事例 (大阪松竹座、近鉄劇場、東京文化会館、千葉県文化会館等)を取り上げ、海外の事例とも比較しながら、 そのような方法を採ることになった動機や目的、また、そのことによって得られた効果や役割を考えながら、 建物を残し、再生によって使い続けることの可能性を経済的側面を含めて考えていく。
パネリスト | ● |
浦林亮次(ユー・アソシエイツ代表) 島 義人(前川建築設計事務所取締役) 中山 勉(近畿日本鉄道建設改良局工事部部長) 本杉省三(日本大学理工学部建築学科助教授) |
コーディネーター | ● | 斎藤 義(アトリエR代表) |
第3部バトルトーク<危ない!舞台技術者の労働環境>
昨年の国際フォーラム'98の議論を踏まえ、舞台制作者を交えて、 「舞台技術スタッフの社会的基盤整備」についての現状の問題点の検証とその未来形を模索する。
舞台技術者のおかれている労働環境は、 昨年のフォーラム時より急激な悪化を見せている。 現在の経済状態による予算的圧縮が、 技術者の人員削減、時間的圧縮等、無理な労働条件を誘発し、 大事故を招きかねない危機的状況に追い込んでいる。 現状を打破するべく、行政担当者、舞台制作者を含めた議論を行うと同時に、 めざすべき将来の理想型を追求する。
パネリスト | ● |
草加叔也(技術監督/劇場コンサルタント) 小西敏正(愛知県舞台設備管理事業協同組合) 島津秀雄(プロデューサー/竃シ演会館代表取締役社長) 古澤 真(プロデューサー/潟Vアター・ドラマシティ) |
コーディネーター | ● | 佐藤壽晃(舞台照明家/劇場コンサルタント) |
セッション3 |
「人人人…劇場との関わりを求めて 劇場文化の未来と夢」 |
「マンガ、アニメ、ゲーム‥‥子どもたちを引きつけるメディアと対比して、 劇場は子どもたちのエンターテイメントの場となり得ているか?」 こうした問題提起を出発点に、 子どもたちが“ライブを楽しむ”ことを体験し、より自由に“劇場で遊ぶオトナ”になるため、 劇場に何ができるのかを考える。
子どもたちと共につくる歌舞伎のワークショップやオーストラリアの子ども演劇フェスティバルの事例や、 マンガ・アニメの側からの問題提起も交えながら、 子どもへのアプローチという地域劇場にとって重要なテーマについてディスカッションする。
報告者・パネリスト | ● |
石子 順(映画・漫画評論家) 加藤えみ子(名古屋むすめ歌舞伎代表) 北野哲明(北野建築計画工房代表) 佐藤一子(東京大学大学院教授/社会教育学) ケイト・フォラー(オーストラリア クィーンズアーツカウンシル ディレクター) |
コーディネーター | ● | しかたしん(劇作・演出家/劇団うりんこ名誉代表) |
第2部<まちが劇場をつくる>
全国に『我がまちの劇場』と誇れる劇場が一体いくつあるだろう?
劇場はそこに住む人々の関わり方によってキラリと輝きを放つこともあれば、 ただ存在しているだけの建物に過ぎない場合もある。
つまり、人々の劇場への思いや情熱が劇場をつくると言っても過言ではない。
そして劇場を地域や社会に積極的に開くことが、 これからの劇場の課題とも言えるのではないだろうか。
このセッションでは、地域に根ざした地域と共に歩む、 特色ある5つの劇場が集まり、 現状や夢を語り合うと共に日本の劇場の未来を一緒に探る。
報告者・パネリスト | ● | 喜多方プラザ文化センター=山形洋一(喜多方プラザ文化センター館長)
浄るりシアター=大内祥子(浄るりシアター館長) 能登演劇堂=赤坂利勝(能登中島演劇祭実行委員会事務局) 名古屋市名東文化小劇場と名東文化フォーラム=田中美代子(名東文化フォーラム運営委員) 大須演芸場=足立秀夫(大須演芸場席亭) |
コーディネーター | ● | 坪池栄子(文化科学研究所プロデューサー) |